交流の広場

玉川上水今むかし

第10話 清流の復活

▲西武拝島線 玉川上水駅前

 玉川上水はしばらく武蔵野の雑木林の中をゆっくりと流れ、そのまま西武拝島線の玉川上水駅南口駅前を通過します。頭上には多摩都市モノレールが南北に交差し、一躍交通の要となった玉川上水駅前は、大変きれいに整備されました。近くには都立高校や音楽大学があり、駅前広場を学生達が足早に歩いている姿が目立ちます。

 玉川上水は駅前を通過するとすぐ先で「東京都水道局小平監視所」へ入ります。羽村の堰で取水された水道原水は、ここで落ち葉や空缶などのゴミが取り除かれた後、暗渠にて東村山浄水場へと送られています。つまり、小平監視所が現役上水路としての最終地点ということになるわけです。

 小平監視所と東村山浄水場は、昭和38年(1963年)に建設されました。それ以来、玉川上水の水のほとんどが東村山浄水場へ送られているので、下流への流れは途絶えてしまいました。そして、その2年後には新宿の淀橋浄水場が廃止されたのです。水が涸れた上水堀は荒廃の一途をたどり、この役割を終えた緑地帯の多くは公園などに転用されていきました。しかし、付近住民からの玉川上水の復活を望む声が強く、東京都も昭和49年頃から玉川上水の復活を検討し始め、清流復活事業計画として具体化されていったのです。

 昭和61年8月、ついに清流が復活。昭島市にある多摩川上流処理場で、周辺の市や町から集めた家庭の雑排水や工場排水を高度処理した水を、約9q離れた小平監視所下流に導水ポンプで送り放流したのです。

▲小平監視所下流付近の「清流の復活」
▲復活した玉川上水