交流の広場

多摩川遊歩記

第4話 奥多摩湖と鶴の湯温泉


▲小河内ダム建設当時の資材運搬鉄道の
廃線跡が、ダムから奥多摩駅まで続いている

▲新緑に包まれた奥多摩湖

 昭和32年に小河内ダムが完成したことにより、奥摩の山々の中に奥多摩湖は生まれました。奥多摩湖は周囲約45qの人造湖で、東京都民にとっては重要な水がめ。満水時で都民の約40日分の使用量をまかうことが出来ます。現在、都の上水道の約80%は荒川・利根川水系でまかなわれていますが、夏場などに水不足が生じると、普段は備蓄されている奥多摩湖の水が活用されています。

 奥多摩湖はシーズンを通して四季の移ろいが楽しめます。春には湖畔の約1万本の桜が満開になり、夏には深緑となった水源林が輝き、秋にはカラフルな絨毯を敷きつめたような紅葉が楽しめ、冬には薄っすらと雪化粧した静かな湖の佇まいが望めます。今では、奥多摩湖は一年中観光客や釣り人で賑わう観光地となっています。

●鶴の湯温泉の歴史●


▲湯場の守り神「温泉神社」
ダムの建設で現在地へ移設された

  奥多摩には「鶴の湯温泉」という600年以上もの歴史を持つ温泉があります。「傷ついた2羽の鶴が、湧き出る水につかって傷を癒しているのを見た村人が霊泉と知った」ことが鶴の湯温泉の始まりとされています。

 この温泉は古くから湯治場として知られており、江戸、明治時代にはかなりの賑わいをみせたようです。しかし、この鶴の湯温泉も、小河内ダムの完成とともに奥多摩湖の湖底へと姿を消してしまいました。その後、この歴史ある名湯を湖底に沈めるのは忍びないという村民の強い要望に応え、水道局はポンプによる汲み上げ施設を小河内ダムの完成と同時に設置。水深88mの湖底からポンプアップ出来るようになり、温泉は蘇りました。

 鶴の湯温泉の泉質はアルカリ性の単純硫黄泉で、神経痛や疲労回復、慢性皮膚病、糖尿病、その他数多くの効能があり、また飲用の場合は痛風や便秘、糖尿病に効くとされています。