交流の広場

多摩川遊歩記

第8話 鳩ノ巣渓谷と玉川水神社

▲紅葉をはじめた鳩ノ巣渓谷

 JR青梅線鳩ノ巣駅から青梅街道を横断して多摩川へ降りると、そこはもう多摩川随一の景勝の地「鳩ノ巣渓谷」です。11月中旬には渓谷が紅葉に包まれ、きっての渓谷美を存分に味わうことができます。

 鳩ノ巣渓谷の清流は、巨岩奇岩の間を縫うように白波を立てながら勢い良く流れていきます。左右に渓谷を見渡すことができる釣り橋「鳩ノ巣小橋」から下流を望むと、渓谷中央に高さ20m程のひときわ大きな岩がそび立っています。ここには、「鳩ノ巣」という名の由来の地である「玉川水神社」があります。

 明暦3年(1657年)、江戸に振袖火事と呼ばれる大火があり、町の復興と江戸城の一部を修理するために奥多摩の木材が必要となりました。木材は多摩川を利用して運搬されるため、多摩川沿岸には人夫を泊める飯場小屋が各地に建てられました。現在の鳩ノ巣渓谷にも飯場小屋が建てられ、そこに祭った玉川水神社の森に二羽の鳩が巣を作りました。朝夕えさを運ぶ様が睦まじかったので、村人たちは霊鳥として愛護したことから、やがてこの地は「鳩ノ巣」と呼ばれるようになったそうです。

▲「鳩ノ巣」由来の地「玉川水神社」 
  ▲玉川水神社と鳩の巣渓谷

●鳩ノ巣付近の名所●


▲杉木立に囲まれてひっそり
  とした面持ちの将門神社



▲古里附のイヌグス
 樹高約23m、幹周り約6.5m

○将門神社
 平将門の子である良将が、亡父将門の木像を刻んで祭ったのが始まりとされています。明治41年に熊野神社(棚沢)に併合されますが、昭和51年に再建。ここの他にも、金剛寺(青梅市)を始め、多摩川沿いには数多くの将門伝説が残されている地があります。

○古里附のイヌグス
(東京都指定天然記念物)

 JR古里駅から青梅街道を西へ1qほど進んだ古里附にある「イヌグス」。樹齢は300年以上といわれています。正式には「タブノキ」というクスノキ科の樹木で、暖地に自生する常緑樹です。秋には黄緑色の花が咲き、7月頃に果実が熟します。