交流の広場

野鳥の里「春夏秋冬」

第14話 ホバリングの名手「コアジサシ」

▲コアジサシ
 写真提供 : (財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様

 いよいよ新緑が芽吹き始める季節。夏鳥たちが、繁殖期を控え世界各地から日本に渡来し始めます。その中の一種である「コアジサシ(小鯵刺)」。この季節、「コアジサシ」は繁殖のため、オーストラリア、ニュージーランド方面から遥々日本へと渡来し、本州以南の各地で活動します。

 「コアジサシ」は、河川敷や中州、海岸の砂浜などに集団繁殖地(コロニー)を形成し、オスは、捕まえた魚をメスにプレゼントすることで求愛します。「コアジサシ」の巣は、地面にくぼみをつくるだけの簡単なものですが、繁殖地に人やカラスなどの外敵が進入すると、キリッキリッと鋭い声を出しながら急降下し、集団で外敵を威嚇するのが大きな特徴といえます。ところが、近年、埋立てや造成工事、レジャー目的の車両の進入などで、河川敷や海岸沿いの繁殖地が急速に減少しており、「コアジサシ」は絶滅危惧種(環境省)に指定されています。その一方、工場の屋上に人工繁殖地を設けたり河川敷の立ち入り禁止区域を広げるなど、各地で様々な保護活動が実施され、「コアジサシ」の繁殖に成果を上げています。

 「コアジサシ」はカモメの仲間で、「アジサシ」よりもひと回り小さく体長25pほど。空中をホバリングしながら小魚などに狙いをつけ、ダイビングして捕えます。ヒナが大きくなった秋口、「コアジサシ」は越冬のため、再び南半球へと飛び立っていきます。