交流の広場

野鳥の里「春夏秋冬」

第74話 粉砕する嘴「シメ」

▲鋭い顔つきのシメ
 写真提供 : (財)日本野鳥の会 鈴木 君子 様

≪シメの特性≫
分 類
 スズメ目・アトリ科
全 長
 約18p
特 徴
 @日本では北海道で一部が繁殖
  し、本州以南で越冬する。
 A繁殖期には嘴の色がピンクから
  鉛色に変化する。
 B大群は作らず、単独または小さ
  な群れで行動する。
生息地
 林・平地・農耕地・公園など
採 餌
 草木の種子

 
 
  ずんぐりとした文鳥型の身体に精悍な顔つきを持ったシメは、ユーラシア大陸の亜寒帯で繁殖し越冬の為に渡ってくる冬鳥で、多摩地区でも出会いやすい野鳥の一種です。

 全長は18p程で全体は薄茶色。目から嘴にかけての色が黒くてはっきりしているのが雄、やや薄い褐色なのが雌です。短くて太い嘴の色は冬はピンク色ですが、夏の繁殖期になると雌雄ともに嘴の外皮が剥がれて鉛色に変化します。

 シメのこの嘴が臘のような色であることから蝋嘴鳥(ろうしょうちょう)という異称がありますが、実はこの嘴、決して臘のように脆いものではなく、強靭な力を持っています。シメはムクノキやエノキなどの草木の種子を主な餌としていますが、頑丈な嘴は固い殻をバリバリと噛み砕くのに大変役に立つのです。その力は実に30sもあると言われています。  

シメの学名Coccothraustes coccothraustesは「穀物を粉砕するもの」という意味のギリシア語に由来しています。

 平地から山林の林に生息するシメですが、実は公園や市街地にもよく姿を現します。民家の庭の餌台に置かれた種子を啄みに来ることも多いようです。「豆回し」と異名をとる力強い採餌を見てみたいものですね。