交流の広場

野鳥の里「春夏秋冬」

第88話 馬に似た声?ヒンカララ 「コマドリ」

▲美声で有名なコマドリ
 写真提供 : (公財)日本野鳥の会 松浦 洋二 様

≪コマドリの特性≫
分 類
 スズメ目・ヒタキ科
全 長
 約14cm
特 徴
@夏鳥として渡来、ほぼ日本周辺でのみ繁殖する。
A囀るとき以外は地上で生活することが多い。
B伊豆諸島・屋久島・種子島には別亜種タネコマドリが分布。
生息地
高山の渓谷、広葉・針葉樹林
採 餌
昆虫、クモ類、ミミズ


 
 コマドリはその美しい鳴き声でウグイス、オオルリと共に「日本三鳴鳥」に数えられる野鳥です。繁殖期の囀りは「ヒンカララ」と聞きなされ、それが馬のいななきに似ていることから、馬を表す「駒」という字を使って「駒鳥」という和名がつけられたと言われています。

 声だけでなく姿も美しく、成長雄は頭から上面が茶褐色、顔と尾羽が赤橙色、腹部が灰色で胸には黒い帯があります。雌は雄よりも全体に色が淡色で胸の黒帯もありません。全長約14cmという小柄な身体ですが、その綺麗な鳴き声は周囲に響き渡るほどの豊かな声量を持っています。しかし、声は聞けてもその姿を見ることは大変難しい鳥でもあるのです。 というのも、コマドリが生息しているのは標高の高い亜高山帯の林なので、彼らに会うためにはかなり高い場所まで足を運ばなければならないからです。また、コマドリは林床に笹類のある暗い藪の中を好んで行動し、樹上などの高い場所に出てくることが少ないので、なかなかお目にかかることができないのです。

 夏鳥として日本に渡来し繁殖するコマドリは、冬には中国大陸で越冬します。秋の気配が感じられるこの季節、彼らは藪の中でひっそりと旅立ちの支度をしているところでしょうか。