交流の広場

野鳥の里「春夏秋冬」

第92話 松ぼっくりから命を繋ぐ 「ホシガラス」

▲星のような白斑が特徴
 写真提供 : (公財)日本野鳥の会 松浦 洋二 様

≪ホシガラスの特性≫
分 類
 スズメ目・カラス科
全 長
 約35cm
特 徴
@雌雄同色。頭部は焦茶色、背・胸・腹に白斑がある。
A針葉樹の趣旨を好むが、昆虫や鳥の卵、人間の残飯なども食べる雑食。
B土壌中に種子を貯食する。
生息地
亜高山帯の針葉樹林
採 餌
針葉樹の種子、昆虫等、雑食性


 
 漆黒の鳥といえば、カラス。その黒い羽に星のような白い斑がちりばめられているのが、今回ご紹介する「ホシガラス」です。名前の通り、星の瞬く夜空を纏ったかのような姿をしています。

 ホシガラスは日本では主に北海道、本州、四国の亜高山帯で留鳥として棲息しています。一見すると優雅な姿ですが、しわがれた大きな声で「ガーガー」と鳴くところなどは、やはり紛れもなくカラスの仲間です。

 針葉樹、とくにハイマツの木が大好きで、松ぼっくりを頑丈な嘴で突き割って中の種子を餌とします。英名のNutcracker(ナッツクラッカー)はまさにこの採餌の様子を良く表しているといえます。ハイマツの種子を取り出したホシガラスは、それを喉の袋に入れた状態でお気に入りの場所へと移動します。そして木の隙間や土壌の中などにこっそりと隠しておくのです。こうして貯えられた種子は厳しい冬を過ごす間の餌となり、また繁殖期に産まれた大切な雛を育てる時にも使われます。

 そしてホシガラスが埋めた種子の残りは、やがて地面から芽吹いて枝を伸ばし、新しいハイマツの林を造成していきます。高山の針葉樹林に生きるホシガラスとハイマツは、このようにして遙か昔から命を繋いできているのですね。